マナーハウス麻溝台、医療と美術のある介護へ/新特養オープン


マナーハウス麻溝台2(いずれか) 社会福祉法人草加福祉会の特別養護老人ホーム(特養)「マナーハウス麻溝台」(相模原市南区下溝)がきょう開所する。隣接する北里大学病院の学生や病院職員との人材交流図り、実習の場としても期待される。病院並みの機能を備えた〝医療型特養〟とし、要介護者の健康状態や栄養管理などで連携していく。

施設は3階建て延べ7716平方メートル。特別養護老人ホーム140床と、短期入所生活介護(ショートステイ)20床。訪問介護や居宅介護支援も手掛け、競争が激化する介護市場で先手を打つ。グループ初の事業所内保育所も配置し、子育てによる女性スタッフの離職を食い止める。

個室は11個室を1ユニットとした。各ユニットにベネチア(伊)やモン・サンミッシェル(仏)などとテーマを設定。「世界遺産のように多くの人を魅了する場所となるよう願いを込めた」(草加福祉会)。

国内で初めて美術館を併設した「マナーハウス横山台」に続く市内2施設目の特養。女子美術大学と提携し、出身者や学生の作品を各所に配置。学生が入居者と美術を介して交流し、認知症の予防や心理面のケアを図る「アートセラピー」を取り入れた。

「銀河鉄道999」や「宇宙戦艦ヤマト」で有名な松本零士氏、「ファイナルファンタジーシリーズ」などのイメージイラストを手掛ける天野氏の作品も目を引く。施設を地域住民に開放し、入居者やその家族と交流してもらうことで「介護」への理解を促す狙い。

施設の完成披露会が3月12日に開かれた。相模原市や北里大学、女子美術大学などの関係者が出席し、スタッフの案内で内覧した。施設をプロデュースした高口光子さんは「起きたい時に起きて、寝たい時に寝る。拘束されない暮らしを提供したい」と意気込む。

湖山泰成理事長は「いい介護には良質な医療が必要。(マナーハウス麻溝台から)救急搬送をゼロにしたい。自身の親を入れたくなる、マイホームのような特養を目指す」と話した。
(2017年4月1日号掲載)

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