外来カメムシの分布拡大、市街11カ所で発見/田口さんが確認


キマダラカメムシの成虫(右)と幼虫

キマダラカメムシの成虫(右)



東京農業大学昆虫研究室で客員研究員を務める、相模原市出身の田口正男さんは、2011年に県内で初めて発見された外来生物「キマダラカメムシ」が生息域を広げていることを確認した。

調査は16年10月24日から11月7日まで、相模原市内でソメイヨシノの古木が多い30カ所で実施。小原公園(中央区小山)や上溝団地(中央区光ヶ丘)など中央区と南区の11カ所で計27匹が発見された。

この調査で、同高校に近接する北部と南東部の市街地は、ほぼ全域で分布していることがわかった。さらに北部と西部側では確認されなかったが、JR相模線近くにある小原公園と津久井湖ほとりの水の苑地の2カ所からの分布の広がりが懸念される。

田口さんの調査結果によると、相模原市内の並木や庭木などとして点在するソメイヨシノの古木を好む。一定の間隔で植栽されていることが多く、生息域の拡大を助けていると考察している。

キマダラカメムシは、主に台湾や東南アジアに生息するカメムシ科の昆虫。1770年代に長崎県の出島で初めて発見された。2006年に岡山県で確認されて以来、温暖化などの影響で生息域が北上を続けている。

県内では11年9月、田口さんが教頭を勤めていた県立上溝南高校(相模原市中央区上溝)にあるサクラの木で成虫1匹を発見。16年8月に新たに横浜市鶴見区生麦で、また同年10月にも同高校付近で成虫を1匹ずつ捕獲した。
(2017年3月20日号掲載)

…続きはご購読の上、紙面でどうぞ。