オルガノ、自社開発システムが評価/水熱利用で地球環境賞


開発センターに導入した自社開発の「水熱利用システム」

開発センターに導入した自社開発の「水熱利用システム」

 水処理に関する装置や薬品を扱うオルガノ開発センター(相模原市南区西大沼)が、自社開発の「水熱利用システム」を導入しCO2排出量などを削減したことで、県の「かながわ地球環境賞」に選ばれた。見学の受け入れや講演など、省エネ普及に積極的な点が評価された。

 同社が選ばれた「かながわスマートエネルギー計画部門」は、エネルギー計画の推進に寄与する再生可能エネルギーの導入等に関し、特に優れた取り組みを行ったもの、または今後寄与することが確実に期待できる取り組みを行ったものを表彰の対象としている。

 同社は2015年2月、モデルケースとして同システムを導入した。敷地内で揚水している地下水の熱と空調用の冷却排熱を回収し、熱源として約60度の温水を供給。冷房休止時は自動切り替えで地下水熱を利用する。

 同システムは2種類の水熱源を冷水使用状況に応じて切り替える「水熱源ヒートポンプ」を採用した。温水・冷水供給や空調などに係るCO2排出量の43%削減とともに、エネルギーコストの54%削減も達成している。

 同社によると、13年から販売開始し、13件の納入実績がある。水処理エンジニアリング会社としての強みを生かして食品・化学工場をはじめ幅広い分野に展開し、17年度に売上高10億円を目指している。

 同社は「今後も事業活動を通じて、さまざまな分野での環境保全活動や環境負荷低減の推進に貢献するとともに、地域の皆様との共生に努めていく」とした。

 同賞は、県とかながわ地球環境保全推進会議が主催。球環境保全に向けた実践的活動や温室効果ガスの排出削減に寄与し、優れた取り組みを行った団体や個人を表彰している制度。2月1日に表彰式があり、黒岩祐治知事から同センター長の明賀春樹取締役に表彰状が贈られた。
(2017年3月10日号掲載)

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