MHIET、脱硝設備不要で高評価/コージェネが長官賞受賞


受賞したガスコージェネ「SGPM450」

受賞したガスコージェネ「SGPM450」

 三菱重工グループの三菱重工エンジン&ターボチャージャ(MHIET、相模原市中央区田名)などが開発した出力450㌔㍗の廃熱回収増大型・低NOx(窒素酸化物)ガスコージェネレーションシステム「SGPM450」が第37回優秀省エネルギー機器表彰事業の「資源エネルギー庁長官賞」に選ばれた。

 同システムは、高効率・高出力化に加えて脱硝設備が不要。初期投資・運用コストを削減し、省スペース化を実現したことなどが高く評価された。

 SGPM450は、新たに開発した出力450キロワットのガスエンジンを搭載。燃焼最適化や水冷ターボチャージャ、高効率発電機などを採用し、従来機の380キロワットガスコージェネに比べて約20%の高出力化を達成した。出力400キロワット級ガスコージェネで世界最高クラスの発電効率42・0%を実現している。

 過給機で圧縮された混合気の熱はこれまで捨てていたが、2段インタークーラーで熱を回収して熱効率を高めた。総合効率を81・5%まで向上させた。

 燃焼最適化による低NOxを実現して脱硝装置が不要なレベルとしたほか、小型ボイラ採用やパッケージレイアウト見直しなどにより、設置面積を従来機から30%以上削減、装置全体の重量を13%軽量化した。

 この新ガスコージェネを導入することによる省エネ・CO2削減効果は、商用電力とガス焚きボイラで賄った場合と比較すると、エネルギーで約33%削減、CO2で約47%を削減できる。

 同社は「今回の受賞をはずみとして、ガスコージェネのさらなる高効率化と普及促進に力を注ぎ、エネルギーの有効利用と地球環境保護に貢献していく」とした。
(2017年3月1日号掲載)

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