ネクスコ中日本、橋本台に技術研修所/高速道路の安全向上へ


九即道路の構造物を設置した技術研修所=相模原市

九即道路の構造物を設置した技術研修所=相模原市

 ネクスコ中日本のグループ子会社「中日本ハイウェイ・エンジニアリング東京」は昨年12月の社長会見で、相模原市緑区橋本台に技術研修所を開設したことを明らかにした。高速道路の安全性向上を目的に、点検に関わる人材の教育・訓練を行う。

 新設した研修所は、より実践的で効果的な訓練や教育を行うため、高速道路の現場と同等の構造物や施設を設置した。鉄筋コンクリートで作られた半断面のトンネルと非常用設備を模した大規模な訓練設備があり、覆工コンクリートや内装タイル面のたたき点検、専用の測定車を用いた水噴霧装置の流量測定訓練、防災連動訓練などを行うことができる。

 また、鉄筋コンクリート床版(しょうばん)や検査路、壁高欄、遮音壁、舗装などを含む実物大の鋼橋サンプルでは、橋りょうの点検訓練を実施できる。これらの設備を活用した研修プログラムを展開することで、構造・設備の特徴や点検業務を行う上での着眼点など、知識と技能の習得に役立たせる。

 同グループが中部地区に保有し、橋梁保全技術の向上を目指す「N2U―BRIDGE(ニュー・ブリッジ)橋梁長寿命化推進室」、施設保全技術の向上を進める「E―MAC(イーマック)技術研修センター」に関東地区の同研修所が加わることになる。エリア全域において効率的な研修が実施可能となることで、グループ全体の技術力が一層向上すると期待される。

 同研修所は高速道路沿線自治体の技術者育成のための研修施設としても開放するという。宮池克人社長は「地域との連携強化につなげていく」と話した。
(2017年1月10日号掲載)

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