スズミと協働でデザイン、学生のアイデアを商品化/相模女子大が連携


生活デザイン学科の湧口教授

生活デザイン学科の松島教授

 相模女子大学(相模原市南区文京)生活デザイン学科と精密板金のスズミ(横浜市都筑区)がタッグを組み、学生のデザインを製造業が製品化する産学官連携プロジェクトを始めた。デザインに経営的な視点を要求することで、即戦力となる学生を育成する。

 横浜市工業技術支援センターが2010年度に開始した。町工場など中小企業と大学など教育機関がタッグを組むことで、学生により実社会に近い条件で産業デザインのいろはを学ぶ。

 プログラムは6月末からスタート。授業内でアイディアを練ったり、企業を訪問したりして検討を重ねていく。プロモーションやマーケティングの企画なども含まれるなど、実践的な取り組み。

 松島直文教授は「産業デザインを学ぶには、企業全体の経営方針や製造、営業などを把握しなければならない」と話す。
 学生は3~4人でチームを組み、デザインコンセプトを考えた。7月4日の発表会で▽一人暮らしが楽しくなる▽室内で使うかわいい生活雑貨▽和を美(み)せる―の3つを提案した。

 スズミは多品種・小ロットの注文に対応する精密板金が強み。学生ならではの視点で描いたデザインを取り入れ、技術と設備でオリジナル製品として実現する。

 松島教授は「学生に企業の経営に取り組むつもりで参加させている。産業デザインの即戦力として活躍してほしい」と期待を話した。12月に最終成果発表会を開く。成果品の一部は来年2月、パシフィコ横浜で開かれる工業展示会「テクニカルショウヨコハマ」で発表する予定。
(芹澤 康成/2016年8月1日号掲載)

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