日相印刷、「紙の本」ニーズに対応/PODサービス本格化


「クニーガ.jp」を発案した村上課長

「クニーガ.jp」を発案した村上課長

 日相印刷(相模原市南区麻溝台)は、絶版・品切れとなった本や電子書籍などを発行者から預かり、必要なときに必要な冊数を印刷・製本できるPOD(プリント・オンデマンド)サービスを本格的に稼働した。「紙の本で読みたい」という需要に応える。

 新サービス「クニーガ.jp」(ロシア語で「書物」)は、印刷と製本を一貫して受注できる同社の強みを生かした事業。入手困難となった本や説明書などをデータで管理し、希望者の注文に応じて1冊単位で印刷・製本する。

 仕組みは、出版社など発行者がPDFデータを「クニーガ.jp」にアップロードするだけ。書店流通の本に比べて単価が高くなるが、在庫管理や返品などのリスクを軽減できるという。

 想定するコンテンツは、企業や団体が発行する技術書や専門書、会誌など少ない部数の本。特に機械類やソフトウェアなど、専門的なマニュアルを持つ企業に需要を見込んでいる。

 「コンテンツプロバイダ会員」(コンテンツ提供者)の入会費や年会費、コンテンツのアップ料などはすべて無料。コンテンツ料は、書籍の価格から印刷や製本などに必要なコストを差し引き、プロバイダに支払われる仕組み。

 村上課長は「コンテンツデータの提供者を求めている。費用は一切かからないので、データを預けてほしい」と呼びかけている。
(2016年3月10日号掲載)

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