さがみのフロンティア
-
帝国データバンクの調査(2014年)によれば、国内全社長の7・4%、13・5社に1社が女性社長だそうである。数字上の割合は高いとはいえないが、もはや珍しがられる存在ではない。 とはいえ、業種によっては、やはり色眼鏡は根強く残る。 「訪問先で名刺を差し出した後、受付の方が目を白黒させるのを見たの
-
ケータイ、スマホは、様々なビジネスシーンで業務効率を飛躍的に向上させたが、通信ツールとしてこれまでも、いや今後もまず立ち入れない領域がある。 例えば、航空機関連、消防や警察・警備、タクシー、大規模な建設現場や工場など。これらの業務環境においては、選択可能な回線、通信料不要、2人以上での同時通話と
-
メーカーや研究開発型ではない中小企業が、大手傘下に入ることも大口顧客を抱えることもなく独力で歩むには、相応の気概、覚悟が要る。 真空ポンプのメンテナンスを手がける山口真空(相模原市南区大野台5の16の34)は、そんな立ち位置で長らく激動の世を生き抜いてきた。ひとえにそれは、創業者である山口祐一社
-
軽トラックでさえ切り返しが必要なつづら折りを登りきると、パッと視界が開けた。澄み切った秋空の下、日照抜群の農地が広がる。 その一画の緩やかな傾斜地。繁茂する雑草で区画も畝もはっきりしない。休耕地かと思いきや…。 「これはスターオブデイビッドという大型のオクラ。津久井産納豆に混ぜて食べれば最高」
-
住宅業界では、90年代半ば以降続く新築市場の縮小に伴い、リフォーム市場が徐々に脚光を浴びてきた。 今後も少子高齢化で人口減少が進み、空き家が増加することで、新築市場はさらに縮小していく。一方リフォーム市場は、緩やかな拡大傾向と見込まれている。 こうした情勢なら、リフォーム業者が増え、競争が激化
-
もう“さがみっぱら”ではないなあ―1980年代初頭あたりまでの相模原を知る人なら、現在の町並みにこんな感慨を抱くはずである。 開発の波は市内全域に及ぶが、古淵駅周辺は大きく様変わりした区域の一つだ。田畑や雑木林、すすき野に包まれていた横浜線沿線の景観は、今やびっしりと住宅で埋まる。 「うちのほうが先
-
企業にとって最悪の事態は仕事がないことだが、仕事があってもそれをこなせる態勢が整っていないというのも辛いものだ。 「今、一番の問題は人手不足。仕事の話はあるが、受け皿の大きさを考えると、積極的に受注しにくい」 工場生産設備の組み立てを基幹事業とする有井工業(相模原市緑区下九沢1644?3)の有
-
「産業を発展させるには、アップルではなくウインドウズ的環境が必要」 サーボモーター用制御装置を開発・製造・販売するコロンバス精機(相模原市緑区西橋本5の4の21SIC内)の本宮輝明社長は、複雑な事情を抱える自社製品の特長を説明する際、こんなたとえから入る。 ハードとソフトを社内で一体的に開発す
-
相模原市内には10カ所の工業団地がある。中でも田名地区に多く、1963年から64年に造成された田名工業団地は同地区で最も古い。 ここに立地する企業の多くが古参であることはいうまでもないが、近隣に大規模な事業所を構える三菱グループとの結びつきが深い企業が多いのも特徴だ。 自動車や建設機械用ボルト
-
長い業歴は、年数自体が企業を誇らしく見せるが、経営者にとって真に誇らしいのは、その間に何をしてきたのかということだ。 成長の足跡だけが誇りとなるのではない。挫折、紆余曲折を経ながらの険しい道のりも、将来につながる大きな矜持となり得るのである。 包装紙や紙袋、紙箱等を販売する三和紙業(相模原市中